資格外活動に違反したらどうなるの?不法就労助長罪というペナルティを理解しよう

資格外活動に違反したらどうなるの?不法就労助長罪というペナルティを理解しよう

外国人留学生や家族滞在ビザの方は、資格外活動許可で定められた就労時間内で働きます。このルールに違反した場合は不法就労となり、雇用する企業側は不法就労助長罪として罰則を受けます。

そもそも資格外活動許可をきちんと申請しなかった場合、また資格外活動許可の違反行為について理解を深め、企業と在留外国人がペナルティを受けないための知識をご紹介します。

※2019年7月18日更新


資格外活動許可の申請についておさらい

資格外活動許可の申請とは、日本に在留している外国人が本来の在留資格では許可されていない活動(就労)を行うための申請です。

資格外活動許可の申請をしても週28時間という制限内でしか働けませんが、この制限を超えて違法に働かせる事業者があとを絶ちません。

資格外活動許可の申請について、より詳しく知りたい方は次の記事をご覧ください。

週28時間しか働けない在留資格『資格外活動許可』の申請とは

家族滞在ビザは週40時間まで働けない!資格外活動許可と28時間・40時間の壁とは

資格外活動許可の何が問題になっているのか

資格外活動許可に関して、昨今問題になっているのは主に次の2つです。

(1)資格外活動許可の申請をせずに違法に働いてしまう

(2)資格外活動許可の申請はしているが、規則で定められた週28時間の制限を超過して働き続けてしまう=オーバーワーク

なぜこれらのことが起きてしまうのでしょうか?具体的にどのような行為が違反となりペナルティを受けてしまうのか1つずつ解説していきます。


(1)資格外活動許可をそもそも申請しないケース

外国人が日本で仕事をするときは、就労ビザ(=就労することが認められた在留資格)が必要です。または、働くことに対して制限が設けられていない『身分に基づく在留資格』を持っている必要があります。

身分に基づく在留資格とは、日本人の配偶者や永住・定住の在留資格のことです。

※就労ビザについて詳しくはこちらでご確認ください

今さら聞けない就労ビザの基礎知識!外国人を採用する人は必ず理解しよう

これらの在留資格に該当しない人は残念ながら日本では働けないので資格外活動許可の申請を出す必要があります。

  • 留学生

  • 家族滞在

  • 就職活動の特定活動

主にこれらの在留資格の方が資格外活動許可を申請をしなければならない人たちです。

留学生などが資格外活動許可をせずに働いていたとすれば、それは1発で違法行為となります。

(2)28時間を超えてしまうケース

資格外活動許可の違反行為としてもっとも多いのは『オーバーワーク』での違反でしょう。

(1)でご説明した資格外活動許可の申請はしているものの、資格外活動許可で定められた週28時間までの就労時間を守らず働きすぎた場合は違法行為となります。

ここでポイントとなってくるのは、『Wワーク』と『残業』です。

●Wワーク

外国人のWワーク、掛け持ちは認められています。しかしここでの28時間とは、掛け持ちしている2つの職場での就労時間の合算時間で計算します。

たとえ自分の職場で、資格外活動許可を受けた方が28時間の基準を守っていたとしても、もう1つの職場で働きすぎていれば違法となります。

●残業
週28時間とは残業時間を入れて計算します。残業時間は問題ないと考えている事業主もいるようですが、残業は1分1秒でも発生すれば28時間のうちにカウントするので注意しましょう。

(3)資格外活動内で認められていない風俗などで働くケース

ゲームセンターのイメージ図

ゲームセンターのイメージ図

資格外活動許可の申請をしたとしても、風俗(風営法が適用される)関係の仕事は行うことができません。

風俗というとキャバクラやホストクラブを思い浮かべる方が大半だと思いますが、風営法適用となるとゲームセンターや麻雀店、ダーツバーなども含まれるので注意が必要です。

『ゲームセンターは風俗店じゃないから大丈夫』と思って雇ってしまうと、資格外活動許可の違反行為となってしまいます。

(4)本来の在留資格の活動を行わないケース

留学生ビザの場合は、在留資格の本来の目的は学業です。この本来の目的を外れて活動をしてしまった場合もNGとなります。

これらの違反行為を行うと、どのような罪に問われてしまうのでしょうか。



最大で300万円の罰金を受け最悪の場合は強制送還

資格外活動許可の違反行為は罪が重たいと理解しましょう

資格外活動許可の違反行為は罪が重たいと理解しましょう

繰り返しになりますが、資格外活動許可に違反することは立派な犯罪行為です。

出入国管理及び難民認定法の第9章70条では以下のように明記されています。


第70条 次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは禁錮若しくは300万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。(以下抜粋)

四 第19条第1項の規定に違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を専ら行つていると明らかに認められる者


このように資格外活動許可に違反した場合は、3年以下の懲役もしくは禁錮刑。300万円以下の罰金という点からも、資格外活動許可への違反行為が非常に重たい罪だということが分かります。


ビザを更新できず最悪の場合は強制送還になる

留学生が卒業をして、技術・人文知識・国際業務などの就労ビザに切り替え申請をし、日本の企業に就職しようとするときは、当該外国人の今までのアルバイト経歴は必ず確認されます。

たとえ卒業のタイミングで素行が良く、成績も優秀で就職先の内定をもらっていたとしても、過去アルバイトをした時に明らかにオーバーワークしていた場合、ビザの更新や変更ができなくなる可能性が高いです。

資格外活動許可の違反は法令違反です。


場合によっては、ビザの変更申請ができないどころか強制送還となることもあります。強制送還になると、その後5年間は日本に出入りができなくなってしまい、その方の将来に大きく影響を及ぼすことを理解しておきましょう。

うちみたいな個人店はバレないでしょと思っているとバレる

結論から申し上げると、資格外活動許可の違反行為をしている方は必ずバレます。

在留外国人は在留カードによ管理されており、日本に居住している方であれば外国人であってもマイナンバーが付与されます。

入国管理局はマイナンバーから情報をたどり、当該外国人が税金をどのくらい納めているのかが確認できますし、税金から割り戻して計算すればどの程度の収入を得ているのか分かります。

そして収入を時給で割って計算すっれば、おおよその勤務時間は分かるので、怪しいと疑われると実際に雇用主側に確認の連絡が入るシステムになっています。


『うちは大丈夫』と安易に考えていると痛い目を見ることになるので、日ごろから全スタッフの労働時間の管理を徹底し、いつでも勤怠表などのデータを提出できる状態にしておくことが望ましいでしょう。

実態調査部門が取り締まりを強化

入国管理局の中には実態調査部門といって、偽装された在留資格に関わる書類をチェックする部門があります。

繰り返しになりますが、うちはバレないと思っていても必ずいつかはバレます。

入国管理局のチェックは厳しくなっており、実際に大手飲食店の社長が不法就労助長罪として書類送検されたというニュースも多々あります。


入国管理法第73条の中で「知らないことを理由として処罰を免れることができない」という表記があるため、外国人の雇用ルールを知らなかったという言い逃れができないことも理解しておきましょう。

正しい知識を持ち資格外活動の違反を避けよう

外国人を雇用している企業側に悪意がなかったとしても、雇っている外国人が資格外活動許可のルールを守っていなければ、雇用している事業主側も不法就労助長罪として罪に問われてしまうことを理解しましょう。

トラブルに巻き込まれないために、彼らの将来を台無しにしないために、正しい知識を持って採用活動を行うことが大切です。

日本に来る外国人の中には、資格外活動許可の違反に対し問題意識が浅い方がいることも事実です。

雇入れる企業側が、外国人の皆さんとしっかりコミュニケーションをとり、当たり前のルールを守ることを伝えていく姿勢も大切です。

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