週28時間しか働けない在留資格『資格外活動許可』の申請とは

週28時間しか働けない在留資格『資格外活動許可』の申請とは

外国人留学生や家族滞在の在留資格保有者は、入管法第19条で定められた『資格外活動許可申請』の手続きを行い、1週28時間という制限内で働いています。本記事では資格外活動許可申請の概要や、オーバーワークとみなされてしまうケースなどの注意点、資格外活動許可の申請手続きや必要書類についてまとめてご紹介します。

※2019年6月12日更新


日本で就労が許可されている在留資格とは?

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外国人が日本で働くためには、『就労ビザ』といって働くことを許可された在留資格を持っていなければいけません。

日本で働くことができる代表的な在留資格というと、

永住者

定住者

日本人の配偶者など

定住者の配偶者

技術・人文知識・国際業務

これらが代表的な就労ビザであり、上記以外の在留資格は、基本的には日本で働くことを許可されていません。

では街中で見かける外国人留学生や、上記の在留資格以外の人たちはどのようなルールの元で働いているのでしょうか?


※在留資格の種類については次の記事で詳しくご紹介しています。

在留資格って何?在留資格の種類やビザ(査証)との違いを解説

資格外活動許可申請を行えば働くことができる在留資格

本来は就労が認められていない在留資格の人でも、入管法第19条で定められた資格外活動許可申請を行えば働くことが可能になります。

この資格外活動許可申請を行う在留資格は、主に3つあります。

  1. 留学生

  2. 卒業後の1年間で就職活動中の人=特定活動の在留資格

  3. 家族滞在の在留資格

これらの在留資格を持つ人は本来働くことが認められていませんが、資格外活動申請を出すことで週28時間以内の就労が可能になります。


資格外活動許可申請の概要

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資格外活動許可申請の概要を確認していきましょう。


勤務先を指定して許可する場合と包括的許可の2パターンがある

  1. 雇用主、勤務先の名称とその企業の所在地および従事する仕事内容を個別に指定して許可する

    →旅券に証印シールを貼り付け、または資格外活動許可書に「新たに許可された活動内容」 が記載されます。

    また、在留カードの裏面に「許可(資格外活動許可書に記載された範囲内の活動)」 と印字されます。


  2. (2)包括的許可と言って、風俗営業以外の仕事かつ1週間28時間以下であることを条件に許可する

    →資格外活動許可書に「出入国管理及び難民認定法施行規則第19条第5項第1号に規定する活動」 と記載されます。

    平成24年7月9日以降に資格外活動許可を受けた人は、在留カードの裏面に

    「許可(原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く)」 と印字されます。


※画像は外国人在留総合インフォメーションセンター資料より引用

1週間に28時間の制限内であれば就労が可能

資格外活動許可申請では、1週間28時間以内でしか就労ができない決まりになっています。

この労働時間の制限は、本来の在留資格で許可された活動の邪魔をしない範囲内で働いてくださいね、という意味で設けられています。

たとえば、留学生の在留資格の人は「学業」が本来許可された活動なので、学業を邪魔しない程度の週28時間なら働けるということです。

また、就職活動をしている外国人も、本来従事すべきなのは就職活動なので、週28時間以上働いてしまうとまともな就職活動が出来なくなってしまいます。

家族滞在の場合は、生計を立てる主たる外国人労働者の扶養範囲内で生活するのであれば在留を認める意味合いの在留資格です。

つまり家族滞在の在留資格保有者が週28位間以上働きたいのであれば、家族滞在ビザ以外の在留資格を取得することが必要になるという考えです。

このように資格外活動許可申請を出した場合は、1週間の労働時間を28時間以下に抑え、本来の在留資格の活動を妨げないようにすることが必要です。

ここまでの章では、資格外活動許可申請の概要についてご紹介してきました。

続いて、資格外活動許可の1週28時間以上働いてもいい特例や、資格外活動許可内でも働けない仕事についてご説明していきます。

資格外活動許可に関する様々なルールと注意点

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ここからは、資格外活動許可の原則である『1週28時間以内』の労働制限がなくなる特例や、資格外活動許可を受けていても働けない職種について、資格外活動許可に関する様々なルールをご説明していきます。

夏休みなど長期休暇中は特別に週40時間・1日8時間まで働ける

上記3つの在留資格の中でも、留学生だけは特例があります。

留学生の場合は、夏休みや冬休みなど長期休暇が発生する場合がありますが、この休暇期間に限り、1週間の労働時間を40時間まで延ばすことが可能です。ただし、あくまでも学校の学則による長期休業期間でないと、この40時間は認められません。

この40時間とは、日本人の労働基準法と同じですね。1日に換算すると8時間までです。

ちなみにここでの長期休業とは、学校が定めた夏休みや冬休みのことを指すので、たまたま休講が重なっただけの時期は長期休業とは呼びません。

また、『家族滞在』の在留資格も場合は学生のように長期休業期間がないので、週40時間まで拡張することはできないので注意しましょう。


資格外活動許可の申請をしても学校にちゃんと通っていなかったらアウト

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どんなに1週間28時間の原則を守っていても、本来の在留資格の活動を行っていなければ在留資格を剥奪される可能性があります。

例えば、留学生がまったく学校に行かずに働いた場合、たとえ就労時間が週28時間以下に収まっていても、本来主たる目的となる学業に従事していないので違反行為となってしまいます。

留学生アルバイトとして雇用している企業は、留学生がきちんと学校に通っているか、日ごろから様子を確認しておくことが大切です。

明らかに学校に行っていないことを知りながら、外国人留学生を雇用し続けた場合は『不法就労助長罪』として罪に問われる可能性もあるので十分に注意しましょう。


在留カードに『留学』と書いてあっても要注意

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外国人留学生が資格外活動許可申請を取り、在留カードの裏面に許可の印鑑が押されていたとします。

しかし、留学生が知らない間に学校を辞めていたり卒業してしまっていた場合、この在留資格は無効となってしまいます。

留学生を採用する雇用主は、在留カードに記載されている内容を鵜呑みにせず、

  • 留学生は本当に今学校に通っているのか

  • 在留期限はいつまでで卒業はいつなのか

  • 資格外活動許可申請は間違いなく許可されているのか

これらのことを定期的に確認しておくことが大切です。

掛け持ち先のアルバイト勤務時間も含めて合計28時間までと覚えよう

アルバイトを複数掛け持ちしている留学生もいますが、アルバイト先1社につき28時間ではありません。2社で働いている場合、2つの勤務先での労働時間を足したものが、28時間以下におさまるようにしてください。

明らかにWワークなどで週28時間以上働いているのに、雇用主が止めなかった場合は不法就労助長罪として罪に問われる可能性があります。

また、違反した本人は強制送還となり在留資格の剥奪などペナルティも受ける可能性があるので、しっかり理解しておきましょう。

これを防ぐためには、住民税の課税証明書など公的な書類で外国人労働者の収入を確認することも出来ます。

日ごろから彼らとしっかりとコミュニケーションを取り、働きすぎていないか?確認をすることも重要でしょう。

1週間のどの日を起点にしても28時間以内におさまるようにしよう

28時間の数え方は、月曜日から日曜日とカウントするわけではなく、1週間のうちどの日を起点にしても変わらず28時間以内になるようにします。

残業時間も28時間以内に含まれるので要注意!

よくある間違いとして、1週間28時間の中に残業時間をカウントしていないケースがあります。

ここでの28時間は、所定労働時間ではなく残業時間を含んで計算するので注意しましょう。

資格外活動許可では風俗関係の仕事に従事することはすべて禁止

入管法第19条で定められた『資格外活動許可申請』では、風俗営業に従事することを禁止しています。

ここでの風俗営業とは、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律で定められたお店のことを指し、飲み食いすることがメインではなく接待が主となるキャバクラやホストクラブや、麻雀・パチンコなどの店舗も禁止されています。

また、一見普通の飲食店と思われている喫茶店やバーであっても、営業所内の照度を10ルクス以下、すなわち薄暗く設定している店舗も風営法適用になるので注意しましょう。

この風俗営業等の規制及び業務の適正化などに関する法律で定められた店舗の中には、『異性の客に性的好奇心に応じてその客に接触する』といった風俗店や、ナイトクラブ、アダルトグッズの販売店などの記載もあり、資格外活動許可を受けていてもこれらの業務に就くことは禁止されているのです。

誰でも不法就労助長罪に問われる可能性がある

ここまでの章で、資格外活動の外国人が不法就労になり得るケースを複数ご紹介してきました。

不法就労とはそもそも何なのか、不法就労助長罪になってしまうケースについて、次の記事でより詳しくご紹介しています。

知らない間に違法行為?よくある不法就労助長罪のケースをおさえよう

確認するポイントさえおさえれば大丈夫です。事業主の皆さんは是非ご一読ください。

資格外活動許可の申請方法

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最後に、資格外活動許可の申請方法を確認していきましょう。

※法務省サイト『資格外活動許可申請』より抜粋

〇正式な手続き名/法律名

資格外活動許可申請 /出入国管理及び難民認定法第19条第2項


〇申請者

  • 申請者本人

  • 申請者の取次ぎ承認を受けている人(申請人が経営している機関または雇用されている機関の職員/申請人が研修・教育を受けている機関の職員/外国人の円滑な受入れを図ることを目的とする公益法人の職員)

  • 申請人から依頼を受けた地方入国管理局長に届け出た弁護士・行政書士

  • 申請人本人の法定代理人


〇必要書類

  • 申請書

  • 当該申請に係る活動の内容を明らかにする書類=仕事内容や勤務先が明記されたものなど

  • 在留カード(在留カードとみなされる外国人登録証明書も可)=提出ではなく提示すれば大丈夫です。

    もし申請人以外の人に依頼する場合は、在留カードのコピーを持参します。

  • 旅券又は在留資格証明書を提示

  • 旅券又は在留資格証明書を提示することができないときは,その理由を記載した理由書

  • 身分を証する文書等の提示(申請取次者が申請を提出する場合)


〇申請先


資格外活動は即日で許可が下りるわけではありません。2週間~2か月程度で結果が出ます。

審査が通過した者は、入国管理局に出向いて『資格外活動許可証』を受け取ります。在留カードを持っていくと裏面に印字してくれるので、忘れずに持っていきましょう。






まとめ

今回は、1週28時間以内で就労が許可される、資格外活動許可について詳しくご紹介してきました。

留学生や家族滞在、就職活動中の外国人から応募が来たら、資格外活動許可の申請を行っているかしっかり確認した上で、本来の在留資格の活動を妨げない範囲内で就労させるように気を付けましょう。






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