日本語能力試験(JLPT)とBJTビジネス日本語能力テスト/外国人の日本語レベルのチェックの仕方

日本語能力試験(JLPT)とBJTビジネス日本語能力テスト/外国人の日本語レベルのチェックの仕方

外国人採用をするときの採用基準となる、外国人の日本語能力を図る試験についてご紹介します。

代表的な日本語レベルの試験には、日本語能力試験(JLPT)とBJTビジネス日本語能力テストがあります。これらの試験内容、試験レベルについての理解を深めた上で、自社で外国人を採用するときにどのような日本語チェックをすることが効果的なのか詳しく解説していきます。

※2019年6月10日更新

日本語能力検定(JLPT)とは『読む力』『聞く力』を測定する試験

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日本語能力試験とはJapanese Language Proficiency Testのことで、略してJLPTと呼ばれます。

国際交流基金と日本国際教育支援協会が運営している試験で、私たちがよく受ける英検の日本語版ととらえていただけると理解しやすいでしょう。(ちなみに英検を運営している団体と、JLPTの運営元は別団体です)

日本語能力検定は1番レベルが低いものがN51番高い語学レベルがN1となっています。それでは、日本語能力試験(JLPT)の試験について詳しく見ていきましょう。

日本語能力試験(JLPT)の試験概要

日本語能力試験(JLPT)の概要は以下の通りです。

〇運営元

国際交流基金、日本国際教育支援協会

〇開催場所やスケジュール

7月と12月、年2回のみの開催となり、日本全国47都道府県で受講することが可能です。

また、海外では80の国、239都市で実施されています。(海外の実施都市・実施機関一覧

日本で受講する人は、『My JLPT』へ登録し、受験者情報を登録の後、受験料を支払うことで申し込みが完了します。

〇受講費

5500円(税込)です。




日本語能力試験(JLPT)の評価は5段階

各レベルが求める水準は以下の通りです。本試験は、日本語の読む能力と聞く能力に焦点を当てています。

N5…基本的な日本語をある程度理解することができる

N4…基本的な日本語を理解することができる

N3…日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる

N2…日常的な場面で使われる日本語に加え、より幅広い場面で使われる日本語を理解することができる

N1…幅広い場面で使われる日本語を理解することができる



このように、日本語能力試験(JLPT)は5段階で評価されています。

N5は日本に来たばかりでほぼ話せないレベル、N4が日本語を勉強し始め、N3が中級レベルでN2、N1になるとかなりレベルが高く試験通過者も少なくなってきます。


BJTビジネス日本語能力テストは仕事での実践日本語を測る試験

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BJTビジネス日本語能力テストとは、その名の通りビジネスの現場で使われる日本語力を測定する試験です。

日本語能力試験(JLPT)は日常生活で使う言葉の理解に重きを置いていることに対し、BJTビジネス日本語能力テストは仕事の現場でよく使う日本語を中心にし、かつ仕事をする上での複雑な情報理解・情報処理ができるかどうかも合わせて確認する試験となっています。

日本語能力試験(JLPT)も、BJTビジネス日本語能力テストもどちらも有名な試験ではありますが、日本での就職を本格的に考えるのであれば、BJTビジネス日本語能力テストの方がより実践的でためになる日本語を学ぶことができるでしょう。

BJTビジネス日本語能力テストの運営元や試験の受け方

BJTビジネス日本語能力テストの運営元や試験内容、試験の受け方など概要を確認しましょう。

〇運営元

公益財団法人 日本漢字能力検定協会 が運営しています。

〇試験の特徴

BJTビジネス日本語能力テストは、ビジネス関係者、日本語教育学、言語学、統計学 などの専門家が開発した試験です。BJTビジネス日本語能力テストのサイトによると、この試験は単純に日本語を知っている・知らないと確認するものではありません。

日本語の基礎知識がある前提で、日本語を用いて様々な情報を理解し処理をすること、対応力などを客観的に判断されます。これにより、『日本語を使って仕事をする』という実践的な語学力・ビジネスレベルを測ることができるのです。

〇試験の形式

聴解テスト、聴読解テスト、読解テストの3部構成で80問出題の約2時間に渡る試験です。

四肢択一で答えていく方式で、複雑な情報処理が必要になる難しい問題に対して高スコアがついていく方式になっています。

〇開催場所やスケジュール

ピアソンVUEオンライン予約サイト、または電話にて試験予約をします。

WEB予約の場合は、上記サイトからアカウント登録をし、試験日時を選択、試験受験料(6,999円(税込、日本国内) ) を支払って受講する流れになっています。

試験は日本全国で受講可能であり、本サイトの情報によると以下の場所で毎日実施されています。

『札幌、仙台、郡山、新潟、東京、横浜、千葉、松本、浜松、名古屋、大阪、京都、神戸、岡山、広島、松山、福岡、北九州、熊本、大分、那覇
※群馬県、栃木県、茨城県、埼玉県でも開設準備中 』

日本語能力試験(JLPT)は7月と12月の年2回しか実施していないため、BJTビジネス日本語能力テストの方が受講するチャンスが多いです。

BJTビジネス日本語能力テストの評価段階

BJTビジネス日本語能力テストでは、J5からJ 1+(ジェーワンプラス)までの6段階で評価をしていきます。

J5(0~199点)…日本語によるビジネスコミュニケーション能力はほとんどありません

J4(200~319点)…限られたビジネス場面で日本語による最低限のコミュニケーション能カがあります

J3(320~419点)…限られたビジネス場面で日本語によるある程度のコミュニケーション能力があります

J2(420~519点)…限られたビジネス場面で日本語による適切なコミュニケーション能力があります

J1(530~599点)…幅広いビジネス場面で日本語による適切なコミュニケーション能カがあります

J1+(600~800点)…どのようなビジネス場面でも日本語による十分なコミュニケーション能カがあります

J5レベルは日本語を断片的にしか理解できていないため、初級者レベルとなります。

J4レベルになると、ゆっくり話された簡単なビジネス会話は理解することができますが、会議や商談の場面での日本語は完璧に理解できるレベルではありません。

J3になると、日常のビジネス会話はおおむね理解できるようになりますが、話し相手に合わせて言語表現を変えることは断片的に行える程度です。日本のビジネス慣習の理解はまだ不十分と言えます。

このように、レベルが上がるほど

  • ビジネス会話の理解

  • 会議、商談、電話と様々なシーンでの日本語理解

  • 話す相手に応じての言語表現の使い分け

  • 社内文書やビジネス文書などの理解

  • 日本のビジネス慣習への知見・理解

これらの能力が高いとみなされるようになっていきます。

日本語能力検定(JLPT)やBJTビジネス日本語能力テストは正しい判断基準にならない?!

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外国人採用をするとき、この日本語能力検定(JLPT)やBJTビジネス日本語能力テストを採用基準に設けている企業は少なくないでしょう。

しかし、実際の検定結果と我々の想定している彼らの日本語能力にギャップがあることが多いです。



日本語能力試験(JLPT)は『話す力』をチェックしていない

日本語能力検定はあくまでも、読む力・聞く力をチェックするものです。

つまり、日本語能力試験(JLPT)でN1やN2の人が、必ずしも流暢に日本語を話せてイントネーションもばっちりという訳ではありません。

逆に言うと、日本語能力試験(JLPT)がN3相当の人でも、日本語の発音が非常に得意な人がいます。また、すべての外国人が日本語能力試験(JLPT)を受験しているわけではなく、試験を受けていなくても日本語の会話が上手い人もいるのです。


『読む・書く・聞く・話す』の何が必要なのか考えることが大切

ここで企業の採用担当の皆さんにお伝えしたいのは、皆さんの企業が外国人を採用するときに、彼らの『読む・書く・聞く・話す』力の、何がどのくらい必要なのかをしっかり考えて定めることが重要ということです。

自分たちの仕事の中では「話す能力」を求めているのか、それとも仕事の指示書などを「読む力」が必要になるのか、日々の日報などを日本語で「書く力」が求められるのか、それとも日本人からの指示やお客さんとの会話を「聞く力」を求めているのか…

これらは採用する皆さんの業種、職種によっても大きく異なってくるのです。

(例1)ひらがな・カタカナを読めて、話を聞き取れればOKのケース

たとえば、ホテルのベッドメイキングのお仕事は、お客さんや仕事仲間と会話が発生することは少ないです。

そのため、掃除マニュアルなど簡単な指示書を1度読み取り理解すれば、そこまで日本語の話す・聞く能力は必要ないでしょう。

掃除マニュアルをひらがな・カタカナで表記してあげれば十分間に合う仕事内容のため、N4やN5レベルの方でも採用が可能となります。

エムティックでは多くの清掃スタッフの派遣やアルバイト紹介をしていますが、活躍している多くの外国人がN4やN5レベルです。

自社の業務では「読む・書く・話す・聞く」がどの場面でどの程度使われるのかを整理してみましょう。その上で外国人スタッフの採用基準を決めていくことが的確です。安易に「日本語を話せる人が欲しいからN2だ」という決め方をしないように気をつけて下さい。






日本語が話せることへの期待値をあげすぎないことも大切

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日本国内では、現在146万人ほどの外国人労働者がいますが(2018年12月時点)、必ずしも全ての外国人労働者が日本語がペラペラなわけではありません

日本語学校に通う留学生たちの中には「アルバイトを通して日本語を学びたい」と考えている人たちがたくさんいます。特に、非漢字圏の外国人たちにとっては、日本語の漢字を読み書きすることは非常に困難なことも理解しましょう。





日本の採用担当者に求められる面接時の配慮

外国人労働者と面接するときは、ゆっくり・はっきりと話すように配慮すると良いでしょう。もし自分が海外に行って、働かなければならなくなったとき、どのような対応をされたら嬉しいですか?

日本語が話せない=彼らのはたらく能力がゼロなわけではありません。スマートフォンの翻訳機能やジェスチャーを使えば、たいていのコミュニケーションは可能です。





どのくらいの日本語レベルで何の仕事ができるのか

あくまでも参考ではありますが、各日本語レベルの方には下記のようなお仕事が可能です。すべての外国人労働者が、日本語能力検定(JLPT)を受講しているわけではないので、N2やN3という表記も参考にとどめてください。

N5 ベッドメイキングやクリーニング、単調な仕分け作業など

N4 ベッドメイキングやクリーニング。居酒屋やレストランでのキッチン(仕込み作業や切る、焼くなどの簡単な調理)、皿洗い、倉庫内作業など

N3 飲食店のホール(メニューが写真入りでわかりやすい。種類が少ない、券売機を利用する店など。牛丼屋のような小規模なお店)介護職や教員で、N3レベルの方の採用も意外と多い。ホテル業もN3~N2レベルで採用することが多い。

N2 居酒屋やコンビニなど、商品種類の多いサービス職や、販売職。フルサービスのレストランはまちまちだが採用は可能なレベル。

N1 かなり多くの職業に対応可能。






採用時の日本語チェックの注意点

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外国人から応募が来た時に、履歴書で日本語の書く力をチェックすることがあります。

ここで注意したいのが、外国人は今までの経歴をきちんと書かかない(履歴書の文化がない)、もしくは日本語学校の先生にチェックしてもらって完璧な日本語で書いているケースがあります。

よって、履歴書の内容は参考程度にとどめつつ、実際の対面面談のときに確認することをおすすめします。






面接で日本語能力を確認する流れ

  • 自己紹介をしてもらう

  • 今までの学歴、職歴を話してもらい、履歴書と内容が合致しているか確かめる

  • なぜ日本に来たのか、いつまで日本にいるのかを聞く

  • 直近の仕事を辞めた理由を聞く






まずはこれらの質問を日本語で投げかけてみて、聞き取りができるか確認してみましょう。

その上で、簡単なペーパーテストをするといいでしょう。たとえば、日本語表記の求人票などを見せて、「これは読めますか?」と、ひらがな・カタカナが読めるか聞いてみるだけでも構いません。

こうすることで、彼らのリアルな日本語の「読み・書き」レベルを知る事ができます。






日本語能力検定(JLPT)はあくまでも目安にしよう

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今回は日本語測定を行う試験である、日本語能力検定(JLPT)とBJTビジネス日本語能力テストについてご説明しました。

これらの試験では読み書きが重視されるものや、ビジネス場面での理解力を測る試験のため、会話力や日本語の発音力を測る試験ではありません。

外国人採用の際は、自社の業務に就く際に『読む・聞く・書く・話す』のそれぞれのスキルが、どのくらい必要になるのかしっかり見定めた上で採用基準を設けましょう。

その上で外国人応募者と会って直接話し、必要であれば読み書きのテストを行いながら、日本語レベルを確認していきましょう。この時、必ずしも『語学レベルが高い=仕事ができる人ではない』ことも念頭に置きながら採用活動をすることを心がけてください。

初めての言語を学ぶとき、どんな人でもいきなり流暢に話せるわけではありません。外国人労働者に難易度の高い会話レベルばかりを一方的に求めるのではなく、一緒に働きながら日本語の勉強をサポートしていく姿勢でいると、より良い関係を築くことができるでしょう。





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