外国人も社会保険の加入義務がある!

外国人も社会保険の加入義務がある!

私たちが毎月支払っている社会保険。これは外国人労働者にも適用されるのでしょうか?雇用形態や国籍を問わず、日本国内に住所を持っている人は全員、社会保険への加入義務があります。外国人だから払わなくていいのでは?と考え、社会保険手続きを怠っていると罰則を受ける可能性があります。外国人スタッフの社会保険について本記事でしっかりと確認してください。

社会保険の種類

社会保険とは、労働に関係が深い労災保険と雇用保険、老後の年金のための厚生年金保険(国民年金)、健康保険などの総称です。ひとつずつ加入条件を見ていきましょう。

①厚生年金

厚生年金は老後の生活のために積み立てていく年金です。この厚生年金は日本に住所を有する人で20歳~60歳未満であれば全員支払う義務があるので、外国人も加入義務は発生します。外国人だから大丈夫では?と言って入らなかったり企業側も支払いを怠ったりしてしまうと問題となってしまいます。

②健康保険

日本の事業所には、全国健康保険協会に加入しなければならない強制適用事業所と、任意加入の任意適用事業所があります。全国健康保険協会に加入している事業所の従業員は、国籍・年齢・性別を問わず被保険者=健康保険の加入者となることが原則です。つまり全国健康保険協会に加入している事業所で働く場合は、外国人労働者も健康保険への加入義務が発生するということになります。また、健康保険と厚生年金保険はセットとなるので、健康保険だけ入って厚生年金保険は入らない、またはその逆もNGなので覚えておきましょう。
適用除外となるケースもいくつかあり、主に次の2つのケースが除外例です。

①従業員数500人以下の事業所


・その会社で1か月勤務する正社員の平均所定労働時間の4分の3以下であるパートタイマー
・社会保障の協定締結国の健康保険に加入している外国人労働者
この2つに該当する場合の加入義務はありません。

②従業員数501人以上の事業所


・週の労働時間が20時間以下
・月の賃金が88,000円以下
・雇用の期間が1年以下
・夜間や通信学校、定時制ではない学生 
これら4つすべてに該当する場合は加入義務がありません。

③介護保険

40歳以上65歳未満で医療保険に加入している人と65歳以上の人はすべて被保険者となり、日本に住所を有する人であれば外国人にも適用されます。

帰国した場合でも日本に3か月以上在住した人は、外国人登録をする時に日本の住民記帳台帳に登録されるので、その登録履歴をもとに介護保険のサービスを受けることになります。

例外としては、3か月以上滞在するものの滞在目的が観光や遊学などの「特定活動」の場合、一定の条件をクリアしていれば介護保険の被保険者とはなりません。もしくは滞在期間(在留期間)が3か月未満で帰国した場合は介護保険適用外となるので、介護保険の被保険者の資格はなく日本の介護サービスは受けることができません。


④雇用保険

雇用保険も基本的には日本人と同じ条件で外国人にも適用されます。ここまで何度も説明している通り、外国人社員だから社会保険はいらないだろうという考えは誤りで、雇用主は保険料をきちんと納める義務があるので注意しましょう。

雇用保険は、週の所定労働時間が20時間以上であれば適用される保険です。手続きのときは、在留カードが必要となります。外国人社員を雇用する際は必ず在留カードの写しを受け取るよう注意しましょう。

⑤労災保険

労災保険は、1人でも人を雇用しているのであれば企業は必ず納めなければならない保険です。外国人であっても労災保険は適用され、万が一企業側が労災保険を故意に支払わなかった場合、企業は雇用者の請求を全額負担しなければならない可能性もあります。企業の大小関わらず、労働者の仕事中の事故・けがを守るための保険なので、雇用主は外国人に対してもきちんと労災保険を整備するようにしましょう。


『社会保障協定』とは厚生年金適用免除の制度

日本に住む外国人は、日本と変わらず厚生年金を納める必要があると分かりましたが、母国の年金制度と、日本の年金制度の二重の支払いが発生しないように作られたのが社会保障制度です。社会保障協定は特定の国と協定を結んだもので、協定を結んだ国の人たちは日本で納めた年金を母国に帰国後も受け取れるようになります。

〇社会保障協定の16カ国

アメリカ、ドイツ、イギリス、韓国、フランス、ベルギー、カナダ、オーストラリア、スペイン、チェコ、スイス、ハンガリー、アイルランド、ブラジル、オランダ、インド(2019年3月11日現在)

また、健康保険と厚生年金保険は同時に加入義務がありますが、この社会保障協定は厚生年金保険のみに適用されます。つまり、社会保障協定を締結している国出身の外国人の場合は、厚生年金保険は自国の制度に加入しつつ健康保険は日本で加入する、という可能性があります。外国人の採用をするときは社会保障協定を結んでいる国を覚えておきましょう。

脱退一時金について

一時的に日本に滞在して老後は自国に戻るとき、厚生年金はどう受け取るのでしょうか?厚生年金を受け取る前に帰国する人たちのために脱退一時金制度が設けられました。脱退一時金制度では、直近納税した金額に合わせて何割かが払い戻しされる仕組みとなっています。

※参考『脱退一時金・国民年金の支払い額』

https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/sonota-kyufu/dattai-ichiji/20150406.files/1.pdf

例えば平成30年度に6か月以上12か月未満の国民年金を納めていた外国人は49,020円の脱退一時金を受け取れることとなります。


外国人の社会保険手続きに困ったら

外国人を採用するときは、日本人と同様に社会保険の加入義務があることがわかりました。社会保険の種類、出身国、日本の滞在時間、労働時間によって加入義務の有無や手続き方法が変動するので注意しましょう。これらの知識を暗記しておくことは大変なので、ハローワークの外国人雇用管理アドバイザーや、最寄りの行政書士事務所、外国人採用を支援している人材会社などに相談するのをおすすめします。

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